クラウドPBXは、在宅勤務や多拠点に強く、初期費用を抑えやすい優れた選択肢です。一方で、「どの会社にもベスト」ではありません。私たちはクラウド電話サービスも提供しているので、向く場合と向かない場合の両方を書きます。
この記事では、クラウドPBXのデメリットと「向かないケース」を中立的に整理します。
クラウドPBXのデメリット(確認しておきたい点)
1. 席数ごとの月額が積み上がる
クラウドPBXは1ユーザーあたりの月額が基本です。手軽に始められる反面、席数が多い・長く使うほど総額が積み上がります。長期前提なら、買い切り型との総保有コスト(TCO)比較が欠かせません。考え方は 比較・5年コスト で表にしています。
2. 通話データが社外(クラウド)に出る
通話の制御や録音がクラウド側で行われる構成では、録音・通話履歴などのデータが提供事業者の環境で扱われる場合があります。機密性の高い情報を扱う業種では、保管場所やアクセス権限を事前に確認しておくと安心です。
3. 緊急通報の扱いに制約がある
一般にクラウドPBXは緊急通報(110/119/118)に対応しない構成が多く、既定でブロックされることもあります。緊急通報が必要な拠点では、別回線の確保が前提になります(→ 緊急通報・安全性)。
4. インターネット回線・提供元への依存
通話品質が回線状況に左右されたり、サービス仕様の変更が提供元の方針に依存したりします。自社でコントロールしたい範囲が大きいほど、気になる点です。
クラウドPBXが「向かないケース」
次のような会社は、社内に置くオンプレ型も含めて検討する価値があります。
- データを社外に出したくない(医療・士業・製造・建設など)
- 席数ごとの月額を増やしたくない
- 単一拠点での利用が中心で、在宅・多拠点の比重が小さい
- 今の電話番号・回線・運用をできるだけ活かしたい
こうしたニーズには、社内に置く買い切り型のIP-PBXが合いやすいです。録音・履歴・設定を社内に置いたまま運用でき、PBXソフトの月額課金を抑えられます(→ VoiceLine PBX の製品ページ)。
逆に、クラウドPBXが向いているケース
公平に言えば、次のような会社はクラウドPBXが向きやすいです。
- 在宅勤務・多拠点を柔軟に運用したい
- 初期費用をできるだけ抑えて始めたい
- 社内に設備を置きたくない・置く場所がない
- スマホ内線を全社員に配りたい
オンプレ型にも、設置場所の確保・停電/障害への備え・保守体制・初期費用といった検討事項があります。どちらにも向き不向きがあるという前提で選ぶのが大切です。
「クラウドか、オンプレか」は二者択一ではない
大切なのは、ラベルではなく要件です。在宅・多拠点を柔軟にしたいならクラウド、社内完結・買い切りで持ちたいならオンプレ、というように、重視する点で選ぶのが現実的です。
どちらが自社に向くか迷う場合、判断を分けるのは内線数と月額の見込みです。買い切りで組んだときの価格は 料金ページ に出しています。個別の条件は お問い合わせ から詰められます。クラウドのほうが向く場合は、そう伝えます。