主装置の更新時期が近づくと、「同じビジネスフォンに買い替える」以外の選択肢として、電話のクラウド化が具体的な検討対象になってきます。2026年7月、その選択肢のかたちが一つ増えました。NTT東日本が、固定電話番号(0AB-J番号)を維持したままZoom Phoneでの発着信を可能にする「ひかりクラウド電話 for Zoom Phone」の提供を開始したのです。

この記事では、この動きを手がかりに、電話番号を維持したままクラウド化を検討する場合に確認しておきたい点を整理します。

この記事でわかること

  • 電話とWeb会議ツールを一つの環境にまとめる動きが出てきた背景
  • 固定電話番号を維持したままクラウド化する場合に、契約前に確認しておきたい3つの点
  • 主装置更新のタイミングで、この選択肢をどう位置づければよいか

電話とWeb会議ツールが一つの環境にまとまり始めている

NTT東日本は2026年7月1日、2021年4月から提供してきた「ひかりクラウド電話」の接続先を広げ、Zoom社のクラウド電話サービス「Zoom Phone」と接続する新サービスの提供を始めました。これにより、すでにZoom Meetingsを業務で使っている企業は、対象となる契約・番号であれば今の固定電話番号を引き継いだまま、Zoom Phoneを通じて外線の発着信ができるようになります。必要な通信環境や契約条件を満たせば、固定電話機がなくても電話業務を行える構成です。

働き方が多様化し、Web会議・チャット・電話をできるだけ一つの環境で扱いたいというニーズが背景にあります。同じ番号を保ったままクラウド側へ電話機能を移す、という組み合わせ自体は、老朽化した主装置やビジネスフォンの更改を検討する企業にとっても無関係ではありません。

クラウド化を検討するときに確認したい3つの点

1. 今の電話番号をそのまま使えるか、移行に工事が必要か

番号を変えずに使い続けられるかどうかは、移行の負担を大きく左右します。今回のサービスでも、既にひかり電話オフィスA(エース)を導入済みかどうかで、機器設置や配線工事の要否が変わると案内されています。同じ「番号を維持したままクラウド化する」話でも、現在の契約形態によって移行条件が変わる場合がある、という点は押さえておきたいところです。

2. 追加のライセンス契約・費用の確認

Web会議ツールとの統合には、電話サービス側の利用料に加えて、Web会議ツール側で電話機能を有効にするライセンス契約が別途必要です。「電話も含めて使えている」と思っていた契約に、実は電話機能のライセンスが含まれていなかった、という行き違いが起きやすい部分でもあるため、既存契約の範囲と追加費用の有無を事前に確認しておくと安心です。

3. 停電・通信障害時にどうなるか

クラウド化された電話は、インターネット回線の状態に運用が左右されます。停電時や回線障害時に電話がどう振る舞うかは、クラウドPBXのデメリットと「向かないケース」 でも整理しているとおり、緊急通報の扱いとあわせて契約前に確認しておきたい点です。

主装置の更新時期に、選択肢の一つとして

老朽化した主装置やビジネスフォンの更新を控えている場合、電話をクラウド化する選択肢は、Web会議ツールとの統合というかたちでも広がりつつあります。ただし、番号の継続性・コスト構造・障害時の対応を確認しておきたい、という点は、主装置が「保守終了」と言われたら? 買い替え以外の選択肢 で扱った「クラウドPBXへの移行」と変わりません。社内に置く買い切り型のIP-PBXと並べて、どちらが自社の運用に合うかを整理する材料の一つとしてご活用ください。

構成ごとに費用がどう変わるかは 比較・5年コスト に並べています。番号や既存契約を含む個別の条件は お問い合わせ から詰められます。